医療法人は、毎会計年度終了後に都道府県知事へ事業報告書等を届け出ることが義務付けられています。この記事では、届出の概要と必要な書類についてまとめます。
届出の根拠
医療法人の事業報告書等の届出は、医療法第52条に基づく義務です。すべての医療法人が対象となります。
届出先と提出期限
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出先 | 都道府県知事(主たる事務所の所在地) |
| 提出期限 | 会計年度終了後3か月以内 |
提出が必要な書類
届出に必要な主な書類は次のとおりです。
- 事業報告書
- 財産目録
- 貸借対照表
- 損益計算書(または収支計算書)
- 監事の監査報告書
- 関係事業者との取引の状況に関する報告書
書類の様式は都道府県によって異なる場合があるため、所管の都道府県に確認することをおすすめします。
※ 関係事業者との取引の状況に関する報告書は、法人の規模で決まるものではありません。医療法第51条第1項は、すべての医療法人に作成義務を定めています。「関係事業者」とは、理事長の配偶者がその代表者であることその他の当該医療法人又はその役員と厚生労働省令で定める特殊の関係がある者をいい、対象となる取引の種類・金額・割合等の基準は厚生労働省令で定められています。
※ 「一定規模以上の医療法人」に関する定めは、同条第2項の貸借対照表・損益計算書の作成方法や、公認会計士等による監査(同条第5項)に関するもので、関係事業者の報告書とは別の規定です。
届け出た書類は閲覧の対象になります
届け出た書類は、そのまま都道府県の内部にとどまるものではありません。医療法第52条第2項は、都道府県知事は、定款または寄附行為および届出に係る書類について請求があった場合には、これを閲覧に供しなければならないと定めています。つまり、請求があれば閲覧されるものだということです。「公表」という言葉で誰でも一覧で見られるようになっているのとは少し違い、請求に応じて閲覧に供するしくみです。
これとは別に、医療法第69条の2で、都道府県知事が医療法人の活動の状況などを調査・分析してその内容を公表するよう努めるものとされ、厚生労働大臣が医療法人情報をインターネットで提供する施策を実施するものとされています。同条第2項により、医療法人は病院・診療所ごとの収益や費用などを都道府県知事に報告します(=経営情報等の報告)。
いずれにしても、届け出た内容は外から見られる前提のものです。数字の整合性や記載もれには気をつけておきたいところです。
届出を怠った場合のリスク
事業報告書等の届出を行わなかった場合や虚偽の報告をした場合、医療法に基づく都道府県からの指導・改善命令の対象となる可能性があります。期限内に確実に提出することが重要です。
行政書士ができること
事業報告書等の作成・届出は行政書士が対応できる業務です。「何を用意すればいいかわからない」「書類の書き方がわからない」という場合は、行政書士に相談することで、必要書類の確認から届出まで一括してサポートを受けることができます。
まとめ
医療法人は毎会計年度終了後3か月以内に、事業報告書・財産目録・貸借対照表・損益計算書・監事の監査報告書等を都道府県知事に届け出る義務があります。届出は医療法人の透明性を確保するための重要な手続きです。
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※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。法令や制度は改正される場合がありますので、実際のお手続きにあたっては最新の情報をご確認ください。
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