保護団体やシェルターの活動でも、第二種動物取扱業の届出が必要になる場合があります。動物愛護管理法第24条の2の2の手続きです。
営利でなくても、一定の要件を満たせば届出の対象になります。この記事では、届出が必要になる条件と、出したあとに続く手続きを整理します。
第一種と第二種のちがい
第一種は、営利を目的として動物の取扱業を営む場合の登録制度です。第二種は、営利を目的としない活動でも、飼養施設や取扱頭数などの要件を満たす場合に必要となる届出制度です。
「保護団体だから必ず第二種」と決まるわけではなく、活動の実態によって判断されます。
| 第一種 | 第二種 | |
|---|---|---|
| 手続き | 登録(法第10条第1項) | 届出(法第24条の2の2) |
| 単位 | 事業所ごと | 飼養施設を設置する場所ごと |
| 更新 | 5年ごと | なし |
| 動物取扱責任者 | 必要 | 不要 |
第二種に更新はありません。そのかわり、あとで説明する変更の届出が続きます。
営利で猫カフェなどを開く場合の第一種の登録については「猫カフェとドッグカフェ、必要な手続きが違います」をご覧ください。
届出が必要になるのは、3つがそろったとき
1. 飼養施設を設置している
規則第10条の5第1項は、飼養施設を「人の居住の用に供する部分と区分できる施設」としています。自宅の居室とはっきり分けられる場所があるかどうか、ということです。
ただし、動物の飼養・保管を一時的に委託を受けて行う者の施設で、取り扱う数が次の基準を超えない場合は、ここでいう飼養施設から除かれます。
2. 頭数が基準以上
規則第10条の5第2項です。
| 区分 | 基準 |
|---|---|
| 大型動物(牛、馬、豚、ダチョウ又はこれらと同等以上の大きさの哺乳類・鳥類)及び特定動物の合計 | 3頭以上 |
| 中型動物(犬、猫又はこれらと同等以上の大きさの哺乳類・鳥類・爬虫類。大型動物を除く)の合計 | 10頭以上 |
| 上記以外の哺乳類・鳥類・爬虫類の合計 | 50頭以上 |
| 大型動物・特定動物と、中型動物の合計 | 10頭以上 |
| 上記と、それ以外の哺乳類・鳥類・爬虫類の合計 | 50頭以上 |
種類がまたがるときは、合計でも数えます。たとえば大型動物2頭と犬8頭なら、単独ではどちらも基準未満ですが、合計10頭で基準に達します。
3.「業として」行っている
反復・継続して行っているかどうかです。非営利でも「業として」にあたります。
届出は、活動を始める前に
法第24条の2の2は「第二種動物取扱業を行おうとする者は…届け出なければならない」と定めています。始めてからではなく、始める前の手続きです。
届出事項として「事業の開始年月日」を記載します(規則第10条の6第4項第1号)。
届け出る事項
法第24条の2の2が7つ定めています。
- 氏名又は名称及び住所(法人は代表者の氏名)
- 飼養施設の所在地
- 行おうとする種別(譲渡し・保管・貸出し・訓練・展示・その他)と、事業の内容・実施の方法
- 主として取り扱う動物の種類及び数
- 飼養施設の構造及び規模
- 飼養施設の管理の方法
- 事業の開始年月日、飼養施設の土地及び建物について事業の実施に必要な権原を有する事実(規則第10条の6第4項)
届出書は様式第11の4で、写し1通を添えて提出します。
添付する書類
規則第10条の6第2項です。
- 法人の場合、登記事項証明書
- 飼養施設の平面図と付近の見取図
平面図には、ケージ等・給水・消毒・餌の保管・清掃・遮光や風雨を遮るための設備の配置を書き込みます。訓練場、排水・洗浄・廃棄物の集積・空調の各設備は、設置している場合に記載します。
借りている施設の場合は、その場所で動物を飼養し、事業を行うことが認められているかを確認します。権原を確認する書類として、賃貸借契約書や使用承諾書などの提出を求められる場合があります。必要書類は届出先の案内に従ってください。
都道府県知事は、これ以外にも必要と認める書類の提出を求めることができます(同条第3項)。
出したあとに続く手続き
変更の届出には2種類あります。
先に出すもの(事前)
法第24条の3第1項。届出事項の第3号から第7号までを変更しようとするときです。種別や事業の内容、取り扱う動物の種類・数、飼養施設の構造・規模、管理の方法などが含まれます。様式第11の5です。
軽微な変更を除き、変える前に出します。
あとから出すもの(30日以内)
法第24条の3第2項。氏名又は名称、住所の変更は、原則として変更後30日以内の届出が必要です。法人の代表者氏名の変更も含まれます(様式第11の6)。飼養施設の使用を廃止したときも同じく30日以内です(様式第11の7)。
ただし、飼養施設を別の場所へ移転する場合はご注意ください。自治体によっては、移転先での新規届出と、旧施設の廃止届が必要になる取扱いをしています。移転前に、届出先の窓口にお確かめください。
届出がいらない「軽微な変更」
規則第10条の7第2項が3つ定めています。
- 取り扱う動物の種類・数の減少であって、頭数基準を下回らないもの
- 飼養施設の規模の増大で、増えた部分の床面積が、届出時の延べ床面積の30%未満(通算)であるもの
- 設備等の増設・配置の変更、現在の設備と同等以上の機能を有する設備への改設
頭数が減っても、基準を下回るなら軽微ではありません。
廃業等の届出(様式第11の8)
法第24条の4第1項が準用する法第16条第1項です。ただし同項第5号は準用から除かれています。
そのため様式第11の8は、届出者の死亡、法人の合併による消滅、破産手続開始の決定による解散、その他の理由による解散の場合に、法令で定められた者(相続人、代表役員であった者、破産管財人、清算人)がその日から30日以内に提出するものです。
活動の終了にともなう飼養施設の使用廃止は、様式第11の7の側になります。2つは別の手続きです。
犬や猫を譲渡している場合は、帳簿が必要です
規則第10条の10により、犬猫等の譲渡しを業として行う第二種動物取扱業者には帳簿の備付けが準用されます。
所有する犬猫について、個体ごとに作成します。品種等の名称、生年月日(不明な場合は推定される生年月日等)、入手先、所有するに至った日、譲渡した日と譲渡先、情報提供の実施状況、死亡した場合の死亡日と原因などを記録し、記載の日から5年間保存します。
保護した子は生年月日がわからないことも多いと思いますが、推定でも記載できます。
保護団体への引き取りを考えている飼い主さん向けの記事は「ペットを引き取ってもらう施設・団体の探し方」にあります。
届け出ないとどうなるか
| 罰則 | |
|---|---|
| 届出をしない・虚偽の届出(法第24条の2の2) | 30万円以下の罰金(法第47条第1号) |
| 事前の変更届出をしない・虚偽(法第24条の3第1項) | 30万円以下の罰金(法第47条第1号) |
| 30日以内の変更届出をしない・虚偽(法第24条の3第2項) | 20万円以下の過料(法第49条第1号) |
| 帳簿を備えない・記載しない・虚偽の記載・保存しない | 20万円以下の過料(法第49条第2号) |
無届出など、法第48条の両罰規定の対象となる違反を法人の業務に関して行った場合には、行為者だけでなく法人にも罰金刑が科されます。
届出をしたあとも、基準を守る義務があります
法第24条の4第1項により、基準遵守義務(法第21条)が準用されます。飼養施設の管理、従業者の員数、飼養環境、疾病への対応などについて、環境省令の基準を守る必要があります。
都道府県知事による報告の徴収や立入検査(法第24条)も準用されます。
業際について
第二種動物取扱業の届出・変更の届出は行政書士がお手伝いできます。NPO法人を設立する場合の設立認証申請も行政書士の業務です。
一方、法人の設立登記・役員変更登記は司法書士、税務申告・税務相談等は税理士、社会保険・雇用保険の手続きは社会保険労務士の業務です。
まとめ
- 第二種は登録ではなく届出(法第24条の2の2)。更新はありません
- 第一種は営利を目的とする場合の登録、第二種は営利を目的としない活動でも要件を満たせば必要な届出
- 「保護団体だから必ず第二種」ではありません。活動の実態で判断されます
- 届出が必要なのは、飼養施設があり、頭数が基準以上で、業として行っているとき
- 犬・猫は合計10頭以上が基準。ただし、一時的な預かりなど、法令上の除外に該当する場合があります
- 届出は活動を始める前に
- 変更の届出は2種類。構造や頭数は軽微な変更を除き事前に、氏名・住所は30日以内
- 施設の移転は、新規届出と廃止届が必要になる場合があります。移転前に窓口へ
- 頭数の減少でも、基準を下回るなら軽微な変更ではありません
- 様式第11の8(廃業等)と様式第11の7(使用廃止)は別の手続きです
- 犬猫等を譲渡しているなら、個体ごとの帳簿を5年間保存
- 無届出は30万円以下の罰金
保護活動をしていて頭数が増えてきたら、基準に達する前に一度ご確認ください。届出は、活動を続けるための手続きです。
出典
e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」(第10条、第16条、第21条、第24条の2の2、第24条の3、第24条の4、第46条〜第49条)
e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」(第10条の2、第10条の5〜第10条の8、第10条の10)
※本記事は2026年9月時点の情報に基づいています。届出先や必要書類、施設を移転する場合の取扱い、条例による上乗せの基準は自治体によって異なります。実際のお手続きにあたっては、所管の窓口にご確認ください。
Shoko行政書士事務所では、第二種動物取扱業の届出、第一種動物取扱業の登録・業種追加・更新・変更届出のご相談をお受けしています。兵庫県宝塚市を拠点とし、京都府京都市・大阪府大阪市を中心に、オンライン・訪問にて対応させていただきます。業務の内容と料金は動物取扱業の登録のページをご覧ください。
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