「自分が亡くなった後、愛するペットの世話をしてくれる人に財産を残したい」——そんなお気持ちを持つ方は少なくありません。日本では法律上ペットは「物」として扱われるため、直接ペットに財産を遺すことはできません。では、どうすれば良いのでしょうか?
方法① 遺言書に世話人への贈与を記載する
遺言書の中で「ペットの世話をしてくれる人(世話人)に〇〇万円を遺贈する」と記載する方法です。シンプルで費用も比較的少なく済みます。
ただ、ただ「遺贈する」とだけ書くと、世話人がペットの世話をしなかった場合に何も言えなくなってしまいます。そこで「ペットの世話をすることを条件に〇〇万円を遺贈する」という形にしておく方法があります。これを負担付遺贈といい、世話人が約束した世話をしないときは、相続人が期間を決めて履行を催促し、それでも行われなければ家庭裁判所にその遺贈の取消しを請求できます(民法第1027条)。
もっとも、世話人には遺贈を放棄する自由がありますし(民法第986条)、負担する義務も受け取る財産の価額を超えない範囲にとどまります(民法第1002条)。遺言は亡くなった時点で効力が生じるもので、その後お金の管理と世話の確認を続けていく仕組みは作りにくいため、そこを重視するなら信託のほうが向いています。
方法② 信託を活用する
信託を使うと、財産を「ペットの世話のためだけに使う」という目的を定めて、世話をする人とは別の人(受託者)に管理してもらえます。受託者が目的どおりにお金を渡しているかは、信託監督人を置いて受益者のために監督してもらうことができます(信託法第131条・第132条)。世話がきちんと行われているかを確認してからお金を渡す、といった取り決めも契約の中で設けられます。
どちらが向いている?
- 遺言書:費用を抑えたい・信頼できる家族や友人がいる場合
- 信託:大切な財産をしっかり管理・監督したい場合
どちらの方法にもメリット・デメリットがあります。ご自身の状況に合わせて選ぶことが大切です。
よくある疑問
Q. 遺言書はどこに保管すればいい?
A. 自宅保管のほか、公証役場での公正証書遺言として残す方法があります。公正証書遺言は紛失・改ざんのリスクがなく、確実性が高い方法です。
Q. 信託にはどのくらい費用がかかる?
A. 信託の内容・財産の規模によって異なります。まずはご相談いただき、状況に合わせてご説明します。
Q. 世話人が見つからない場合はどうすればいい?
A. 家族・友人以外にも、ペットの引き取りを行う団体や施設と事前に契約しておく方法もあります。早めに検討しておくことをおすすめします。
まずは「誰に頼むか」を決めることから
遺言書でも信託でも、最終的にはペットの世話を引き受けてくれる「世話人」を決めることが出発点です。信頼できる方と事前にしっかり話し合い、書面で残しておくことが大切です。準備は早ければ早いほど、選択肢が広がります。
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※本記事は2026年6月時点の情報に基づく一般的な情報提供です。個別のご事情により取扱いが異なる場合がありますので、詳しくはご相談ください。
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