ペットを残して亡くなったら?
飼い主が準備しておくべきこと

大切なペットは家族の一員です。しかし「自分に何かあったら、この子はどうなるのだろう」と不安に思われる飼い主さんもいるのではないでしょうか。

ペットは法律上「物」として扱われます。そのためペット自身に財産を相続させることはできません。人ではないので、相続人にも受遺者にもなれないのです。

一方で、ペットの所有権そのものは財産ですから、相続や遺贈の対象になります(民法第896条・第964条)。つまり「この子を誰かに引き継ぐ」ことはできます。

問題になるのは、誰が飼育を引き継ぐのか、その費用をどう渡すのかを決めていないことです。そこを生前に決めておく必要があります。

飼い主が亡くなった後、ペットはどうなる?

遺されたご家族が引き取るケースでも、さまざまな事情で難しい場合があります。

  • 高齢で世話が難しい
  • 動物アレルギーがある
  • 賃貸住宅でペットが飼えない
  • すでに自宅に別のペットがいる

引き取り手が見つからない場合、自治体の動物愛護センターに引き渡されることもあります。大切なペットにとって安心できる環境を最後まで守るためにも、生前から備えておくことが大切です。

生前にできる備え

① 信頼できる世話人を決めておく

家族・友人・知人の中で、万が一の際に大切なペットを引き取ってくれる方を事前に話し合って決めておきましょう。口約束だけでなく、書面に残しておくことで後のトラブルを防げます。

② 遺言書に「負担付遺贈」を記載する

遺言書の中で「大切なペットの世話をすることを条件に、〇〇万円を○○さんに遺贈する」と記載する方法です。世話をしてくれる方に金銭的なサポートを残すことができます。ただし、世話の履行を強制する手段が限られる点は理解しておく必要があります。

③ 信託を活用する

「ペットのために使う」という目的を定めて財産を管理できる仕組みが信託です。お金を管理する人(受託者)と世話をする人を分けることができ、受託者が目的どおりにお金を渡しているかは信託監督人に監督してもらえます(信託法第131条・第132条)。世話の状況を確認してからお金を渡す、といった取り決めも契約で設けられます。

方法 特徴 向いているケース
負担付遺言 比較的シンプル・費用を抑えられる 信頼できる家族や友人がいる場合
信託 管理・監督の仕組みが整う しっかり財産管理したい場合

元気なうちから終活を

大切なペットの将来を守るために最も大切なのは、飼い主自身が元気なうちに準備を始めることです。体調が悪くなってから、あるいは認知症が進んでからでは、遺言書の作成や契約の締結が難しくなる場合があります。「まだ早い」と思っていても、備えておくことで大切なペットにとっての安心につながります。

主な準備の手段は次の4つです。

手段 内容
遺言書 財産の行き先を指定する。ペットの世話人への遺贈も記載できる
負担付遺贈 「ペットの世話をすること」を条件に財産を遺す方法
ペット信託 ペットの世話に使う財産を信託で管理。使途を限定できる
飼育契約 世話を引き受ける方と生前に書面で取り決める契約

どの手段が合うかは、家族構成・財産の状況・信頼できる人がいるかどうかによって異なります。組み合わせて使うこともできます。

まずは「ペットファイル」を作ることから

法的な手続きの前に、まずは大切なペットの情報をまとめたペットファイルを作っておくと安心です。

  • ペットの名前・種類・年齢・かかりつけ動物病院
  • 1日の食事量・散歩の時間・好きなもの・苦手なもの
  • 飲んでいる薬や持病
  • 緊急時の連絡先(かかりつけ獣医・ペットシッターなど)

それぞれの方に合った方法で大切なペットを守りましょう。

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※本記事は2026年6月時点の情報に基づく一般的な情報提供です。個別のご事情により取扱いが異なる場合がありますので、詳しくはご相談ください。

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