建設業許可の要件のひとつに、営業所ごとに営業所技術者を置くことがあります。実務経験10年で証明する方法もありますが、国家資格を持っていれば、資格によっては実務経験の証明を省略できます。ただし、2級の技能検定や一部の施工管理技士の第一次検定のように、合格後に一定年数の実務経験が別に必要な資格もあります(建設業法施行規則第7条の3)。この記事では、営業所技術者になれる主な国家資格を業種別に整理します。
営業所技術者(旧・専任技術者)とは
営業所ごとに常勤で配置しなければならない技術者のことです。次のいずれかの方法で要件を満たします。
- 国家資格を持っている
- 許可を受けようとする業種の実務経験が10年以上ある
- 指定学科を卒業し、一定期間の実務経験がある(大学卒3年、高校卒5年など)
実務経験の証明が不要な資格であれば、実務経験年数の証明書類を集める必要がなく、申請の負担が大きく軽減されます。
幅広い業種に対応できる資格
1級土木施工管理技士
土木一式・とび土工・石・鋼構造物・舗装・しゅんせつ・塗装・水道施設・解体など、多くの業種の営業所技術者になれます。
1級建築施工管理技士
建築一式・大工・左官・とび土工・屋根・タイル・鋼構造物・内装仕上・解体など、幅広い業種に対応します。
1級建築士
建築一式・大工・屋根・タイル・鋼構造物・内装仕上などに対応します。
業種別の主な国家資格
| 業種 | 主な資格 |
|---|---|
| 土木一式 | 1・2級土木施工管理技士(土木)、技術士(建設部門) |
| 建築一式 | 1・2級建築施工管理技士(建築)、1・2級建築士 |
| 電気工事 | 1・2級電気工事施工管理技士、第一種電気工事士、第二種電気工事士(※)、電気主任技術者(※) |
| 管工事 | 1・2級管工事施工管理技士、技術士(衛生工学部門)、給水装置工事主任技術者(※) |
| 造園工事 | 1・2級造園施工管理技士、技術士(建設部門・森林部門) |
| 解体工事 | 1・2級土木施工管理技士(2級は種別「土木」)、1・2級建築施工管理技士(2級は種別「建築」「躯体」)、解体工事施工技士 |
| 内装仕上 | 1級建築施工管理技士、2級建築施工管理技士(仕上げ)、1・2級建築士 |
※印の資格は、資格取得後に一定期間の実務経験が必要です。第二種電気工事士は免状交付後3年以上、給水装置工事主任技術者は1年以上の実務経験が求められます。
解体工事の資格には注意点があります
1・2級土木施工管理技士、1・2級建築施工管理技士で解体工事業の営業所技術者になる場合、平成27年度以前の合格者は次のいずれかが追加で必要です。
- 解体工事に関する実務経験1年以上
- 登録解体工事講習の受講
技能検定(2級相当)も対象になる
施工管理技士や建築士のほか、技能検定の合格者も営業所技術者になれる場合があります。
- 型枠施工
- 左官
- とび
- 配管
- 建築板金 など
ただし、技能検定2級の場合は合格後に3年以上の実務経験が必要です(建設業法施行規則 別表。業種・検定職種によって対象工事が定められています)。平成16年3月31日以前に合格した方には経過措置があるとされていますので、該当する場合は許可行政庁にご確認ください。
特定建設業の場合はさらに要件が厳しい
特定建設業許可の営業所技術者(特定営業所技術者)になるには、次のいずれかを満たす必要があります。
- 1級の国家資格を持っている
- 一般建設業の営業所技術者の要件を満たし、かつ元請として請負代金4,500万円以上の工事について指導監督的実務経験が2年以上ある
ただし、指定建設業(土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種)については、実務経験による証明が認められず、1級資格または技術士資格が必須となります。
まとめ
営業所技術者は、資格によっては実務経験の証明を省略できます。ただし合格後の実務経験が別に必要な資格もありますので、ご自分の資格がどちらに当たるかを確認してください。1級土木施工管理技士・1級建築施工管理技士は対応業種が広く、複数業種の許可を取得したい場合に有利です。取得したい業種と持っている資格が対応しているかは、申請前に必ず確認しましょう。
関連記事
※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。法令や制度は改正される場合がありますので、実際のお手続きにあたっては最新の情報をご確認ください。
Shoko行政書士事務所では、建設業許可申請に関するご相談をお受けしています。兵庫県宝塚市を拠点とし、京都府京都市・大阪府大阪市を中心にオンライン・訪問にて対応させていただきます。まずはお気軽にご連絡ください。
ご相談を予約する