飲食店の開業を検討される際、「自分のお店はどの許可が必要なのか」と迷われる方も多いのではないでしょうか。今回は混同されやすい社交飲食店・特定遊興飲食店・深夜酒類提供飲食店の違いと、それぞれに必要な許可・届出をわかりやすく解説します。
3つに共通する大前提:飲食店営業許可
社交飲食店・特定遊興飲食店・深夜酒類提供飲食店のいずれも、飲食店営業許可(保健所)が必要です。警察署への申請書・届出書には飲食店営業許可証の写しを添えるのが原則ですので、実務上は保健所の許可を先に取ってから警察署へ進む流れになります。ただし警察署との事前相談は許可待ちの段階でも進められますし、取扱いは警察署によって異なりますので、段取りは管轄の警察署に確認しながら組み立てます。
① 社交飲食店(風俗営業1号営業)
キャバクラ・ホストクラブ・スナックなど、接待を伴う飲食店が該当します。
- 必要な手続き:風俗営業許可(管轄警察署)
- 営業時間:原則として深夜0時まで(都道府県条例による)
- 特徴:接客従業者がお客様に接待(会話・お酌・歌への同席など)を行う形態
② 特定遊興飲食店
クラブやナイトクラブなど、設備を設けて客に遊興をさせ、かつ飲食をさせる営業で、客に酒類を提供して営むものが該当します(風営法第2条第11項)。営業時間が「午前6時後から翌日午前0時前まで」の範囲に収まらないもの、つまり深夜0時をまたいで営業するものが対象で、風俗営業に該当するものは除かれます。2016年の風営法改正で新設された区分です。
- 必要な手続き:特定遊興飲食店営業許可(管轄警察署)
- 営業時間:深夜(0時以降)の営業が可能
- 特徴:接待は行わないが、ダンスフロアやDJによるショーなど遊興を提供する
③ 深夜酒類提供飲食店
バー・居酒屋など、深夜0時以降にお酒を提供する飲食店が該当します。
ただし、風営法が定める「酒類提供飲食店営業」からは、営業の常態として、通常主食と認められる食事を提供して営むものが除かれています(風営法第2条第13項第4号)。ラーメン店や定食屋のように、主食となる食事を出すことを営業の中心としているお店が深夜にお酒も出す場合は、この届出の対象にならないという考え方です。どちらに当たるかは実際の営業の内容で判断されますので、迷う場合は管轄の警察署にご確認ください。
- 必要な手続き:深夜酒類提供飲食店営業開始届(管轄警察署)※許可ではなく届出
- 営業時間:深夜営業可能
- 特徴:接待・遊興なし。届出のみで営業可能なため、3つの中では手続きがシンプル
3つの違いをまとめると
| 区分 | 接待 | 遊興 | 深夜営業 | 手続き |
|---|---|---|---|---|
| 社交飲食店 | あり | 問わない | 原則不可 | 風俗営業許可 |
| 特定遊興飲食店 | なし | あり | 可 | 特定遊興飲食店営業許可 |
| 深夜酒類提供飲食店 | なし | なし | 可 | 届出のみ |
※ 社交飲食店(風俗営業1号)は「接待」があるかどうかで区分されます。風営法第2条第1項第1号は「客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」と定めており、遊興の有無で決まるものではありません。
開業を検討する際は、どの形態に該当するかをまず確認することが大切です。
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※本記事は2026年6月時点の情報に基づいています。法令や制度は改正される場合がありますので、実際のお手続きにあたっては最新の情報をご確認ください。
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